フリーランスエンジニアの確定申告(仕訳編)

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フリーランスになっては見たけど、帳簿の仕方がわからない。

確定申告までにはどんなことをしなければならないの?

そんな方の手助けになる記事を書いてみました。

今回のテーマ

  • フリーランスエンジニア(プログラマー)の確定申告の仕方
  • 確定申告までに行う帳簿、仕訳の仕方

今回はまるで簿記などの知識がなく、全く帳簿に縁がなかった人向けに確定申告までの事務作業の流れを説明したいと思います。

前提として、すでに青色申告を行っている人向けですが、白色申告の場合も経費計上は可能ですので参考にしてください。

まだ、青色申告の届出を出してない方は。こちらの記事を参考にして下さい。

確定申告までの流れ

確定申告までの流れですが、大きく二つの作業があります

  1. 確定申告の月まで、前年度の帳簿を行う。
  2. 確定申告の月に確定申告の書類を作成する。

プログラマーは仕入がないので、仕入がある業種に比べると帳簿する量が少ないので、一年分の領収書を保存しておき確定申告の直前に一気に一年分帳簿作業を行うことも可能です。

しかし、1年分だと流石にそこそこ時間を取られるのでこまめに帳簿をすることをお勧めします。

確定申告までにやること

冒頭でも触れましたが、まずは帳簿をする必要があります。

帳簿といっても少し難しくなった家計簿のようなものです。

簡単にいうと資産の動きを記録します。

まずはお金が入った時の動きを記載する必要があります。

仕訳の仕方

まず、帳簿に実際に記録する作業は「仕訳(しわけ)」と呼びます。

帳簿は右側に借方と左側に貸方という欄があります。

そして、借方と貸方には記載ルールがあり、お金にまつわるイベントがあったときに一定のルールに従って記載します。

主な記載方法はしたの図のとおりになります。

借方貸方
資産が増えた場合
負債が減った場合
費用(支出)があった場合
資産が減った場合
負債が増えた場合
収益(収入)があった場合

仕訳には、資産と負債と費用と収益という分類があります。

資産

ここでいう資産とは、現金や普通預金、売掛金のことでそれぞれの残高が増えた場合には借方に記載します。

残高が減った場合は貸方に記載します。

負債

負債とは、借入金、 未払金 や買掛金等があります。

この場合は、負債が増えたら右側の借方に記載し、負債が減ったら左側の貸方に記載します。

とはいえ、エンジニアであればほとんど発生しないのではないのかなと思います。

僕は負債を計上したことはありません。

費用(支出)

費用とは、支出のことです、旅費交通費、通信費、消耗品費などのことです。

費用がプラスであることはないので、左側の借方のみに記載します。

収益 (収入)

収益は、売上や雑収入のことになります。基本的に事業に関係のある収入を売上、事業に関係ない収入である雑収入になります。

収入がはいるときはマイナスということはないので貸方に記載します。

勘定科目

資産なら、現金や 普通預金、負債なら借入金、費用は消耗品等、様々な分類があります。この分類のことを「勘定科目」と呼びます。

帳簿に記載するには勘定科目が何かわからないといけないのですが、

勘定科目がわからない事態は頻繁に発生します。

その時は、 グーグルで検索すれば調べることができます。

例えば定期代の勘定科目がわからない場合は 「定期代 勘定科目」でグーグル等の検索エンジンで検索しましょう。

フリーランスの帳簿の流れ

個人事業主は、すべての収入を帳簿に記録する必要があります。

  • 売上
  • 売上以外の収入

売上は、納品が完了した時点で帳簿に記載するのが一般的です。

実際に、お金が振り込まれた時ではないので注意してください。

これは「実現主義」と呼ばれるものです。

一方で現金の動きがあった場合に帳簿を行う「現金主義」というものがありますが、

通常は「実現主義」で行うのが一般的で、ネットにある情報も「実現主義」によるものなので、あえて「現金主義」にする必要はないと思います。

この辺は、帳簿初心者は間違いやすいところです。

間違っていた場合であっても、個人であれば税務署から指摘されるのは稀でしょうが

分かっているのであれば最初から実現主義で帳簿を行いましょう。

売上の帳簿の仕方がわからなければ、グーグルなどで「売上 仕訳」と入力すれば検索できます。

実現主義で仕訳を行うので納品して売上が確定した日付に売上を記載します。

エンジニアの納品は契約の内容にもよって変わりますが、成果物がプログラムであればプログラムの納品日、常駐型の契約であれば月末日になります。

常駐型の場合の、売上の仕訳例

6月の売上を仕訳する場合の例です。

日付借方貸方
6/30売掛金 500,000 売上 500,000

このように仕訳をします。

まだ、お金が振り込まれてないですが、売掛金という資産が増えたので借方に売掛金を記載し、収益の売上を貸方に記載します。

その後、実際に売上が翌々月の10日に振り込まれた場合で、エージェントに払う手数料が10%あった場合は、このように仕訳します。

日付借方貸方
8/10普通預金 450,000売掛金 500,000 
支払手数料 50,000

続いて費用を仕訳してみます。

例えば、6月10日に10,000円の定期代を現金で購入した場合

日付借方貸方
6/10旅費交通費 10,000 現金 10,000 

定期代の勘定科目は旅費交通費になり費用ですので借方に記載し、現金の資産が減ったので貸方に現金を記載します。

貸借対照表と損益計算書

仕訳した後に年間の貸借対照表と損益計算書を作る必要があります。

この二つの帳簿は、仕訳したものを月で集計したものであったり、年で集計したものです。

会計ソフト等を利用している場合、仕訳さえすれば自動的に作成されますので、自身でつくる必要はありません。

仕訳には「資産」、「負債」、「費用」、「収益」のカテゴリがあります。

資産と負債を集計したものが、貸借対照表で、費用と収益を集計したものが損益計算書になります。

このページで、仕訳した勘定科目をそれぞれカテゴリにわけると、次のようになります。

  • 売上 →収益
  • 売掛金→資産
  • 普通預金→資産
  • 現金→資産
  • 支払手数料→費用
  • 旅費交通費→費用

カテゴリ分けかができたので、貸借対照表と損益計算書を作ってみます。

貸借対照表

貸借対照表に記載するのは、資産と負債なので、売掛金、普通預金、現金のみを記載します。

借方貸方
普通預金 450,000 現 金 10,000 
売 掛 金 0

となりますが、これは誤りです。現金は資産になるのでマイナスになることはなく貸借対照表に記載する際は必ず借方に記載しなければならないからです。

現金を旅費交通費で使いましたが、本来は現金の残高があるから現金で支払えるはずだからです。

そのためこの場合は、現金の発生源である仕訳の帳簿が漏れていることになります。

例えば、普通預金から現金を引き出していた場合は、

借方貸方
現 金 50,000 普通預金 50,000

という仕訳が必要になります。

この仕訳が帳簿されていた前提で、もう一度貸借対照表を記載すると。

借方貸方
現  金 40,000純利益 440,000
普通預金 400,000
売 掛 金 0

このようになります。仕訳の時もそうですが、借方と貸方の合計金額は必ず一致するようになります。

資産、負債の合計で差が出ます。貸方が不足しいる場合は、差分の金額を貸方に記載し勘定科目は純利益になります。

そして純利益が所得額になります。

損益計算書

損益計算書も記載してみましょう。

借方貸方
支払手数料 50,000売上 500,000
旅費交通費 10,000 
純 利 益 440,000

こちらも純利益が割り出せました。

損益計算書では純利益が借方に記載されることになります。

貸借対照表と損益計算書は会計ソフトが作ってくれるので、実際に自分で一から作ることはありませんが、作成されるまでの過程を覚えていくと見方が理解できると思います。

この2つは、企業も作る必要があり上場企業に至っては公開することを義務付けられています。

個人事業主も経営者と変わらないので、この辺の知識は覚えていたほうが良いでしょう。

結局は帳簿ソフトにまかせればいい。

慣れてしまえばなんてことない帳簿ですが、これまでまったく触れたことのない人は難しいと思います。

でも、帳簿は実際にはソフトで入力するのでここまで知識がなくてもできます。

ソフトなしだと1年分の集計を自分ですることになるので、なんらかの会計ソフトは使いましょう。

おすすめの会計ソフト

おすすめといっても、この2択です。

値段的にはやよいの青色申告オンライン安いので 青色申告オンライン も推薦しましたが、

機能的にはFreeeに軍配が上がるかなと思っています。

Freeeにはレシートをスマホで読み込み、自動で仕訳ができる機能があるからです。

やよいの青色申告オンラインにもスマホからレシートの画像を保存する機能はありますが、それを読み取るOCR機能の性能がいまいちなので結局は自分で入力する必要があります。

どちらも無料期間があるので、ご自身になじむほうを選ぶといいでしょう。

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